CHEMI STORY

02

プロスタグランジンのメーカーとして、
世界トップクラスを目指す。

プロジェクトの概要

眼圧下降や血管拡張などをはじめとするさまざまな作用により、医薬品用途での実績が豊富な「プロスタグランジン」。協和ファーマケミカルでは1970年代から研究開発を続け、長年に渡り知識や技術をつないできました。今後もより市場価値を高めて、目指すのは安価で高品質なプロスタグランジンの供給において世界トップクラス。今もなおその挑戦が続いているプロジェクトです。

PROJECT MEMBERS

技術部

技術部

品質管理部

品質管理部

品質管理部

品質管理部

営業部

営業部

#01

半世紀に及ぶ研究開発。

プロスタグランジンは、緑内障の患者さんへの点眼剤や末梢血行障害のある患者さんへの注射用剤など、さまざまな医薬品に使用されている。協和ファーマケミカルでは、50年以上前にプロスタグランジンの研究をスタートした。1990年代は売上がまだ小さかったため、研究開発に必要な投資を獲得することも難しく、当時のメンバーは社内でのサポートを得るために奔走。時間をかけてプロスタグランジン製造に関する研究テーマに向き合ってきた。その甲斐あり現在「協和ファーマケミカルはプロスタグランジン製造に強い。」という認識が世界に広がっている。
2000年代に入るとジェネリック医薬品の登場をはじめ、医薬品業界も大きく変化。そこで、改めて自社で製造するプロスタグランジンをより市場価値の高いものに成長させることを目的としたプロジェクトが立ち上がった。市場のニーズが増えればより効率的な製造プロセスが必要となり、競合も増えるため価格も見直すこととなる。これまで着手してこなかった種類のプロスタグランジンの研究も検討するなど「安価かつ高品質なプロセスを開発し、世界トップクラスのプロスタグランジンメーカーになること」を目指し、社内では検討が重ねられた。

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#02

プロスタグランジンは、難しい。

営業部が協力して情報収集した市場調査に基づき、プロセス開発研究グループは原薬品質、製造コスト、特許などを考慮した新規合成ルートを開発。複雑な構造を持ち、不安定なプロスタグランジンを効率的に製造するために、当社独自の合成技術(キラルテクノロジー)を使った自社での一貫製造を目指した。分析研究グループでは、品質管理を目的とした精度の高い分析法を開発。「高品質」「安価」「安定供給」を叶える研究が、各部署で進められた。
プロスタグランジンの製造は、その特性から非常に高度な技術とノウハウを要する。プロジェクトチームは、世界で高い競争力を得るためにさまざまな困難を突破していった。例えば、実験室では製造できた中間体が、工場スケールで製造すると目指す結晶形にならなかったこと。中間体の晶析プロセスをより詳細に検証した結果、晶析時の温度が約10℃程異なると、別の結晶形が生じる可能性があることを突き止めた。

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#03

技術と知見を繋いでいく。

プロスタグランジン製造後の装置は、プロスタグランジンが人体に影響のないレベルまで洗浄されていることを分析で示す必要があった。そこで、技術部はわずかな量でも検出できる高感度な分析法を探り、これまで使ったことのなかった検出器を採用。少しずつ設定項目を明確にすることで、高感度な分析法を確立した。
また社内では関係部署の部門長を中心に有識者が集い、プロジェクトメンバーに対して知見をシェアする機会が設けられた。過去にプロスタグランジンを製造した経験からのアドバイス、進行しているプロジェクトを深く洞察した鋭い指摘など、数々の意見が飛び交った。試行錯誤を繰り返していたメンバーにとって、特に「これまで経験した失敗談」は転ばぬさきの杖。多くの時間を割き、自分達のプロジェクトにアドバイスをくれた先輩方への感謝の気持ちもメンバーの背中を押した。そして、長年研究を続けているものだからこそ、技術や知見を伝承することの大切さを改めて実感した。

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#04

プロスタグランジンの協和ファーマケミカルであるために。

世界トップクラスを目指すのは、簡単なことではない。プロジェクトメンバーは常に緊張感やプレッシャーを抱えて挑んでいる。だからこそ、チームのムードを大切にしたい、とメンバーは考える。互いに相談し、助け合いながら、時にはふざけて笑い合える瞬間があるような空気を守りたい。長期的に見たら、それが世界でトップを牽引する力になると考えるからだ。また、このプロジェクトは「陸上のバトンリレー」のようなものだといえる。諸先輩方や他部署の方が長年積み上げたバトンを受け取り、自分の持ち場で一生懸命に走り、後世につなげていくこと。「プロスタグランジンの協和ファーマケミカル」と言われるためには、そんな気持ちを忘れてはいけない。プロスタグランジンを通じた仕事について、当社はお客様から「よく勉強している」「高く評価している」とお褒めの言葉を頂くことはある。しかし、このプロジェクトはまだまだ道半ばだ。胸をはって「世界トップクラスのプロスタグランジンメーカー」といえる、いわば“反応が完結する”その日まで、挑戦は続く。

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挑戦は終わらない。世界にはまだ、ライバルがいる。